#97 ANSNAM MODELIST Reversible Zip Blouson 米沢のシアサッカー

Jan 12, 2018

今週末のアイテムの紹介。
モッズコートに続き、パリのパタンナーさんに依頼したジップブルゾン。
なんだけどまた例によって、サンプルは上がってない。だから先に生地の紹介をします。させてください。

この前の12月、久しぶりに日本国内、東北を巡りまして。そこで出会ったものを早速に。
米沢。どんだけ降るんだってくらい、町の家々や植木には雪囲いや雪吊が備え付けてあり、これからの厳しい季節をしんと静かに待つ町の風景は、東京にいるとなかなかに感じられない東北独特の雰囲気があって。きっと今頃本当に雪が凄いのだろうけれど、失礼ながらなんか、その自然に対する態度がカッコいい。

そんな町には、上杉鷹山が興した織物産業が今もしかと息づいており、今回行った先も米沢織の老舗の着物地屋さん。でも、今回僕が探しているのは、シルクのシアサッカー。
聞くと、ここのシアサッカーはヨーロッパのビッグメゾンから声が掛かりまくるところらしく、そのメンツに笑った。(なんか最近、あんまり彼らが凄いと思わなくなってきた、と言うか、このように現場が被ることが多いし、感覚がマヒしてると言うか、もはやむしろry)

で、そんな機屋さんなのに、社長もメゾン達なんてどうでもいいような、そもそもあんまり知らないんだよ、と笑いながらプカプカとタバコを燻らす。そして過去の栄光、自慢話が始まる。
締め切った室内で、ガンガン焚かれるストーブ。中学生の時から急に出来なくなった、めっちゃくちゃ苦手な正座。そして、滞留するタバコの煙。不快のスーパーコンボ。
そこを耐え抜いた末にやっと見せてもらったシアサッカー。足はガクガク。


そんなシアサッカーは色んな柄があって、それぞれ微妙に表情が違って、とてもいい。ほとんどがシルク100%。ほとんどが一人分か二人分。中途半端同士のミックスも可能。総柄で派手なようだけれど、シルクの光沢はそれを落ち着いて見せてくれる。
今回のサンプルはリバーシブルのジップブルゾン。もちろん前回みたいなシャツも出来るし、リバーシブルではなく、ソロでサラッと作ることも可能です。

本当はさ、今日12日金曜夕方に、実物サンプルを掲載する予定だったわけ。けどね、なんとついさっき、この店の電気がストップしてやんの。ミシンも動かず。復旧まで時間がかかりそうだったので、遠い家からせっかく来てもらってる千葉さんを帰し、自宅で縫ってもらうことになりました。だから写真のアップは明日の10時過ぎ。
この件、まず容疑を掛けたのはもちろん自分自身。わかってます、自分のこと。でも未払いじゃなかった。